実家の片付け業者の選び方|種類別の費用相場と依頼の流れを徹底解説

結論から言うと、実家の状況によって選ぶべき業者は変わります。散らかった荷物を片付けたいなら不用品回収・遺品整理業者、足の踏み場もないゴミ屋敷ならゴミ屋敷清掃業者、人が亡くなった部屋なら特殊清掃業者です。
この記事では、相続実務歴12年・遺品整理の現場に同行してきた私が、種類別の費用相場・失敗しない選び方・依頼の6ステップ・補助金の調べ方まで、今すぐ動ける形でまとめました。
特に、悪徳業者の見分け方と、遠方に住んでいて実家に通えない場合の進め方は、競合記事に薄い部分なので厚く書いています。
実家の片付け業者とは?依頼できる業者の種類と対応範囲

実家の片付け業者と一口に言っても、対応できる範囲はまるで違います。私が現場で見てきた限り、ここを混同して頼むと「これは別料金です」と当日もめる原因になります。
まずは3種類の業者と、その対応範囲を整理します。
| 業者の種類 | 主な対応内容 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 不用品回収・遺品整理業者 | 不用品やごみの仕分け、貴重品の探索、簡易清掃 | 通常の生活感がある家の片付け |
| ゴミ屋敷清掃業者 | かなり汚れた現場の片付け、害虫対応を含む清掃 | 足の踏み場がないほど物やごみが溜まった家 |
| 特殊清掃業者 | 人が亡くなった部屋の清掃・消臭・原状回復 | 孤独死などがあった部屋 |
実家の片付け業者を比較!種類別の費用相場と特徴
費用は業者の種類と間取りで大きく変わります。ここでは1LDKを基準にした相場を並べます。

注意してほしいのは、相場はあくまで目安だということ。荷物の量、階段の有無、エレベーターの使えるかどうかで、同じ1LDKでも金額は動きます。
| 業者の種類 | 1LDKの費用相場の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 不用品回収・遺品整理業者 | 約80,000円〜 | 仕分けから簡易清掃までまとめて依頼できる |
| ゴミ屋敷清掃業者 | 約78,000円〜 | 汚れの程度がひどいほど加算されやすい |
| 特殊清掃業者 | 約74,000円〜 | 消臭・除菌など専門作業が中心 |
不用品回収・遺品整理業者の費用相場|1LDK約80,000円〜
通常の片付けで最も使われるのがこのタイプです。1LDKで約80,000円〜が目安。
仕分け・搬出・貴重品探索・簡易清掃まで一括で頼める点が便利です。ただし荷物が多い実家ほど、トラックの台数が増えて費用も跳ね上がります。
ゴミ屋敷清掃業者の費用相場|1LDK約78,000円〜
足の踏み場もない状態なら、このタイプ。1LDKで約78,000円〜が目安です。
正直、ここは現場を見るまで金額が読めません。私が同行した現場でも、見積もり時より物量が多く、追加が出たケースがありました。だからこそ訪問見積もりが必須です。
特殊清掃業者の費用相場|1LDK約74,000円〜
人が亡くなった部屋の片付けは、特殊清掃業者の領域です。1LDKで約74,000円〜が目安。
消臭・除菌・原状回復が中心で、状態によっては床材の撤去まで必要になります。一般の不用品回収業者では対応できないので、ここは専門業者を選んでください。
作業日数・所要時間の目安
作業日数は物量と間取りで決まります。1LDK程度なら1日で終わることが多い一方、戸建てで物が多いと2〜3日かかることもあります。
遠方から立ち会う場合は、ここを事前に確認しておかないと、何度も足を運ぶことになります。
失敗しない実家の片付け業者の選び方
業者選びで一番大事なのは、許可の有無です。ここを見落とすと、不法投棄に巻き込まれるリスクがあります。

私が依頼者に必ず確認してもらう4つのポイントを挙げます。
一般廃棄物収集運搬業の許可業者であるか
家庭から出るごみや不用品を運ぶには、一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。この許可は自治体ごとに与えられます。
確認方法はシンプル。各市町村の公式サイトで、許可業者の一覧を取得しているか調べられます。許可を持たない業者が「回収します」と言ってきたら、不法投棄を疑ってください。
作業範囲はどこまでか・公式サイトの掲載情報
仕分けだけなのか、清掃や搬出まで含むのか。作業範囲は業者によって違います。
公式サイトに料金表や作業事例が載っているかも、見極めの材料になります。情報を出している業者ほど、後で揉めにくい印象です。
契約書・見積書で確認すべき項目と追加料金トラブルの防止
追加料金トラブルの多くは、見積書の曖昧さから生まれます。「一式」とだけ書かれた見積書は要注意。
確認すべき項目を表にまとめました。
| 確認項目 | チェックの理由 |
|---|---|
| 作業範囲が明記されているか | 当日の追加作業で別料金を請求されないため |
| 処分費・運搬費の内訳 | 「一式」表記だと追加分が読めない |
| 追加料金が発生する条件 | 物量増加時にいくら加算されるか |
| キャンセル料の規定 | 急な中止時の負担を把握するため |
| 許可番号の記載 | 無許可業者を避けるため |
悪徳業者の見分け方とトラブル回避策
私が現場や相談で見てきた悪徳業者の手口は、だいたいパターンが決まっています。
「今日契約すれば半額」と急かす、極端に安い見積もりで集客して当日に高額請求する、許可番号を聞くと話をそらす。この3つが揃ったら、その場で契約しないでください。
回避策はひとつ。必ず複数業者から相見積もりを取り、許可番号を確認すること。これだけで大半のトラブルは防げます。
【6STEP】実家の片付けを業者に依頼する流れ

依頼の流れは大きく6ステップです。順番を守ると、無駄なやり直しが減ります。
| STEP | やること |
|---|---|
| 1 | 片付けてもらうことを親に承諾してもらう |
| 2 | 家庭ごみや不用品の回収を許可された業者を探す |
| 3 | 各市町村の公式サイトで一般廃棄物収集運搬業の許可を確認する |
| 4 | 複数の業者に訪問見積もりを依頼する |
| 5 | 見積もり内容を比較して業者を1社に絞る |
| 6 | 処分したくないものを事前に分けておく |
親への承諾と回収許可業者の確認
親が存命なら、まず承諾を得るのが最初です。ここを飛ばすと、後で「勝手に捨てた」と関係がこじれます。
承諾が取れたら、回収許可を持つ業者を探し、自治体の公式サイトで許可を確認します。STEP2とSTEP3はセットで進めてください。
複数業者への訪問見積もりと比較
見積もりは必ず訪問で、最低でも3社。電話だけの概算は当てになりません。
同じ条件で比較すると、料金だけでなく対応の丁寧さも見えてきます。私は、質問への返答が早く具体的な業者を選ぶよう勧めています。
処分したくないものの事前仕分けと当日の立ち会い
写真、手紙、通帳、印鑑。処分したくないものは、作業前に必ず別の場所へ分けておきます。
当日は、できれば依頼者が立ち会うのが理想です。貴重品が出てきたときの判断や、想定外の品の確認がその場でできます。
遠方で実家に通えない場合の遠隔依頼の進め方
遠方に住んでいて何度も通えない。これは私への相談で本当に多いケースです。
その場合は、写真や動画で部屋の状況を送って見積もりを取り、当日の立ち会いはオンライン通話で代えられる業者を選びます。作業前後の写真報告に対応してくれるかを、契約前に必ず確認してください。
鍵の受け渡し方法も先に決めておくと、当日の混乱が減ります。
実家の片付け費用を安く抑えるコツと補助金活用
費用は工夫しだいで下げられます。買取、自力作業、補助金、この3つを組み合わせるのがコツです。

特に補助金は、空き家であれば使える可能性があります。ただし全国一律ではありません。
先に買取を済ませてから依頼する・高く売れる品目
片付け業者に頼む前に、売れるものを売っておくと処分費が減ります。順番が逆だと、価値ある品まで処分されかねません。
高く売れやすいのは、ブランド食器、貴金属、骨董品、状態の良い家電や家具です。買取業者は、買取実績を公開しているところを選ぶと安心です。
自力でできる仕分け・搬出は行う/一部の部屋だけ依頼する
仕分けや搬出を自分でやれば、その分の人件費が浮きます。体力に余裕があるなら、軽いものは自力で。
全部屋ではなく、手に負えない一部の部屋だけ依頼する手もあります。私はこの「部分依頼」を、費用を抑えたい人によく提案します。
空き家の片付けで使える補助金・助成金の調べ方
空き家の片付け・解体に使える補助制度は、全国一律ではありません。自治体ごとに実施状況・条件・金額が異なります。
前述のみんなの遺品整理の整理によると、補助対象として多いのは、ごみ処理手数料、収集・運搬料、家電リサイクル対象品以外の家財処分、ハウスクリーニング、樹木の伐採・除草などです。
一方で、家電リサイクル法の対象品は補助の対象外になる例があります。荷物整理・運搬・処分に補助が出る制度では、最大25万円・補助率2分の1以内という自治体事例もあります。
上限額は10万円程度が多いとする整理がある一方、30万〜100万円程度の上限を設ける例も少なくありません。補助率は「1/2以内」や「1/5〜1/2程度」がよく見られます。
| 自治体・制度 | 補助の内容 |
|---|---|
| 名古屋市 老朽危険空家等除却費補助金 | 最大80万円 |
| 名古屋市 老朽木造住宅除却助成 | 最大40万円 |
| 荷物整理・運搬・処分の補助の例 | 最大25万円・補助率2分の1以内 |
申請の流れにも注意が必要です。一般に「見積もり取得 → 申請 → 交付決定 → 着工」の順で、交付決定前に着工すると対象外になる可能性があります。先に工事を始めないこと。
対象者の条件として多いのは、空き家の所有者であること、空き家バンク登録、税の滞納がないこと、暴力団関係者でないことなどです。
そもそも補助制度がない自治体もあります。制度の有無自体を、まず自治体の公式ページで確認してください。
自治体の粗大ごみ回収との使い分け
少量の粗大ごみなら、自治体の回収のほうが断然安く済みます。業者にすべて任せる必要はありません。
私のおすすめは、自分で出せるごみは自治体回収に回し、量が多く手に負えない部分だけ業者に頼む使い分けです。これだけで総額がかなり下がります。
生前整理と遺品整理の違い・相続や親族との進め方
片付けの相談で一番こじれやすいのが、親族間の調整です。お金と思い出が絡むと、感情が動きます。

行政書士として相続の現場を見てきた立場から、トラブルを避ける進め方を整理します。
親が存命中の生前整理と亡くなった後の遺品整理の違い
生前整理は、親が元気なうちに本人の意思で進める片付けです。何を残すか本人に確認できるのが最大の利点。
遺品整理は、亡くなった後に遺族が行います。本人の意思が分からないため、何を残すかで遺族が悩みます。可能なら、私は生前整理をすすめます。後の負担がまるで違います。
兄弟姉妹・親族間での意見調整と費用負担の分担
「捨てる・残す」の判断は、兄弟で意見が割れます。先に進める前に、全員で方針を共有してください。
費用負担も、誰がいくら出すか事前に決めておくこと。後から「立て替えた分を返して」と言うと、関係がぎくしゃくします。法定相続分に応じて分けるのが、揉めにくい考え方です。
相続・遺産分割と片付けの関係(相続放棄時の注意点)
ここは特に注意が必要です。相続放棄を考えている場合、勝手に家財を処分すると、相続を承認したとみなされる恐れがあります。
相続放棄の予定があるなら、片付けに手をつける前に専門家へ相談してください。処分の順序を間違えると、放棄ができなくなります。
貴重品・思い出の品(写真・仏壇・遺影)の扱い方と供養
写真、手紙、仏壇、遺影。これらは機械的に処分できないものです。
仏壇や遺影は、お寺や専門業者で供養してから手放す方法があります。遺品整理業者の中には、供養まで対応してくれるところもあるので、必要なら依頼時に確認してください。
片付け後に必要な手続きと空き家放置のリスク

片付けが終わっても、それで完了ではありません。各種手続きと、空き家を放置するリスクが残ります。
ここを放置すると、固定資産税の負担が重くのしかかります。
各種解約・住所変更・遺品の名義変更などの行政手続き
電気・ガス・水道の解約、郵便の転送、各種契約の名義変更。亡くなった後は、これらの手続きが一気に必要になります。
不動産や預金の名義変更は、相続手続きと連動します。漏れやすいので、リスト化して一つずつ消していくのが確実です。
空き家放置のリスク(特定空き家指定・固定資産税増額)
空き家を放置すると、自治体から「特定空き家」に指定される可能性があります。指定されると、固定資産税の住宅用地特例が外れ、税負担が増えます。
国は空き家対策に財源を割いており、自治体が国土交通省の事業を活用しています。除却工事費と損失補償費の合計の8/10を補助する枠組みも紹介されています。
片付け後に売却・解体した方がお得なケース
誰も住んでいなくても、家を持っているだけで固定資産税はかかり続けます。
管理する人がいない、活用の予定もない。そんな実家なら、片付け後に売却したほうがお得なケースが多いです。費用を抑える方法として、自治体補助のほか、売却・買取・改修活用を組み合わせる整理もあります。
よくある質問(FAQ)
相談でよく聞かれる3つに、簡潔に答えます。

よくある質問
最後にひとつだけ。許可の確認と相見積もりは、面倒でも必ずやってください。この2つを省いた人ほど、後で「あのとき確認しておけば」と後悔しています。まずは対象自治体の公式ページで許可業者と補助制度を調べることから始めてください。
